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ストレスで甘いものが欲しくなる? 幸せホルモンを味方につける方法


甘いものを食べるとやる気がでたり、ストレスを忘れさせてくれるのはなぜでしょう? ついつい甘いものに依存してしまっている現代人が増えていますが、実はそれには、幸せホルモンとよばれている「セロトニン」が深く関係しているのです。


■幸せホルモン「セロトニン」とは
セロトニンとは、気分を安定させるのに必要な神経伝達物質で、9割は小腸の粘膜にある細胞内に存在しています。実は脳を興奮させる物質ではあるのですが、落ち込んだ心を励ますと同時に、感情の爆発を抑えながら心を穏やかにもしてくれる感情物質です。

別名「幸せホルモン」ともよばれているセロトニンですが、実際、摂食障害や暴力行動、うつ病の原因には、セロトニン不足が関係しているといわれています。

また、セロトニンは睡眠に関与しているメラトニンという物質の原料にもなるため、気分だけでなく、夜に眠り朝に目覚めるという、1日のサイクルにも影響をおよぼします。

■甘いものを食べるとやる気が出る理由
ストレスを感じた時、ついつい甘いものが食べたくなりませんか? 実はこれには根拠があるのです。セロトニンは、赤身の肉に含まれるトリプトファンというアミノ酸を原料にして合成されますが、摂取したトリプトファンを脳に運ぶにはブドウ糖が必要になります。

そのため、肉や魚を食べた後に甘いデザートを食べることによって、セロトニンの分泌が促進され、幸福感や満足度を高める働きがあるのです。

また、もうひとつの理由として、血糖値が関係しています。甘いものやご飯などの糖質を摂ると、血糖値が上がります。そして、上がった血糖値を下げるために、インスリンというホルモンが分泌されます。

インスリンには血糖値を下げる働きがあるのですが、同時に、体内でタンパク質をつくる働きもあるのです。タンパク質はアミノ酸からできるので、体内で多くのアミノ酸が使われ減少することによって、トリプトファンの比率が高くなります。

その結果、セロトニンが一時的に増加するのです。そのため、甘いものを食べることによって、一時的な快楽を感じることになるのです。ただし、あくまで、インスリンによってトリプトファンの比率が高まっているだけで、量が増えている訳ではないため、一時的な快楽に過ぎません。

ストレス過多の方やうつ病の方が甘いものに依存してしまうケースも多いですが、本来の解決策は、甘いものではなく、トリプトファンが多く含まれた食べ物を食べるなどして、セロトニン分泌を増やすことにあります。次ページにあげることを意識してみるとよいでしょう。

■セロトニンを増やすために心掛けたいこと
ストレス対策やアンチエイジング、ダイエットを成功させるには、セロトニンを味方につけることです。セロトニンの分泌を増やすために、下記のことを意識してみましょう。


1.朝日を浴びる
2.リズミカルな運動をする(ウォーキング、自転車、階段の昇り降り、咀嚼)
3.トリプトファンを含む食材をとる(肉類、赤身魚、バナナ、豆乳、ひまわりの種)
4.ビタミンB6、Cをとる(トリプトファンをセロトニンに変換するのに必要な栄養素)
5.意識的に呼吸をする(深呼吸、ヨガ、座禅)
6.規則正しい生活をする(早寝早起き)

抗うつ剤を服用している方、深刻な肝機能障害がある方や妊婦さんに限っては、トリプトファン摂取に制限があるので、注意してください。また、トリプトファンに限らず、多量に摂りすぎると弊害がでてくることもありますので、何事も過剰にならないよう気を付けましょう。

ストレスが溜まっている時に甘いものに頼っても、一時しのぎに過ぎないばかりか、健康を阻害してしまいかねません。セロトニンを上手に活性化させ、心の安定をはかりたいですね。セロトニンの活性には、少なくとも3ヵ月必要だといわれていますので、できることから無理なく継続してみましょう。

またこういった生活を心掛けることが、心身ともに安定した健康的な状態をつくり上げることに繋がります。
(中嶌歩見)

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